- 自宅で遺骨を保管したいけど、スピリチュアル的に良くない気がして不安を感じている
- 遺骨をお墓に入れないと成仏できないと言われた・・・
- スピリチュアル的に正しい置き方や風水の考え方を知りたい!
故人を失った悲しみを埋めるために、自宅にご遺骨を置いて身近に感じながら生活を送りたいという方は増えていますが、信心深い方やスピリチュアル的な考えを大事にする人には不安を感じてしまい実行に移せない人も多いようです。
「自宅に遺骨を置くなんてありえない!成仏できなくなる!」
「正しく埋葬しないと運気が下がって良くないことが起きる!」
果たして故人を大切に想う気持ちから、自宅でご遺骨を保管することは本当に縁起が悪いことなのでしょうか?
この記事ではこれから手元供養を行おうと考えている方や、自宅にご遺骨を置くことに不安を感じている方に向けて、スピリチュアル的な良し悪しや風水ではどのように考えられているのかを解説します。
そもそも自宅にご遺骨を置いてもいいの?という基本的な部分については、下記記事で詳しく解説していますので目を通してみてくださいね。
自宅にご遺骨を置くのはスピリチュアル的にはNG?
スピリチュアル的なことが気になる人にとって、最も知りたいのは「自宅に遺骨を置く行為はNGなのかOKなのか」です。
結論から言ってしまえば【本人の気持ちの持ち方次第】なのですが、宗教的・風水的な考えではOKなのかNGなのかをまずは知っておきましょう。
宗教的には自宅に遺骨を置いても大丈夫
「お墓にちゃんとご遺骨を入れてあげないと故人が成仏できない!」という意見を耳にすると、なるほどそういうものか・・と納得してしまいそうですが、実は宗教的な考え方で言えばご遺骨を自宅に置いても基本的には問題ありません。
成仏する・しないという考え方は仏教の教えが基となっていますが、お釈迦様のご遺骨は世界各地に散らばっていますので仏教的には遺骨をどこに保管するかは大きな問題ではありません。
風水的な考え方では自宅に遺骨を置くのはNG
一方で、風水の考え方ではご遺骨を自宅に置くのは良くないとされています。
風水では自然の摂理を大切にする考え方が基本なので、ご遺骨は土へと還すために埋葬した方がよいということになります。
自分がどう思うかを判断基準にするべき!
宗教や風水による良し悪しはありますが、自宅に遺骨を置くかどうかの判断基準は自分がどう思うかが最も重要です。
自宅に遺骨を置くことで、故人を失った悲しみばかりを思い浮かべて気持ちが落ち込むのなら、それは置かない方がよいということになります。
逆に故人を身近に感じて、いつでも好きなタイミングで手を合わせて偲ぶことで心穏やかな生活を送れるのであれば、自宅にご遺骨を置くことが間違いなくプラスに働きます。
スピリチュアルを意識した遺骨の置き方・方角について
故人のご遺骨を自宅に置きたいけど、なるべくスピリチュアル的な考え方を無視したくない!という方も多いはず。
ご遺骨の正しい置き方や、意識すべき方角について解説します。
曹洞宗や臨済宗は南向きが基本
お釈迦様は北を背にして、南向きで説法をしていたという説(南面北座説)から、曹洞宗や臨済宗ではご位牌やご遺骨を南向きに置くのが良いとされています。
スピリチュアル的な考え方を抜きにしても、直射日光を避けることができる置き方なので南向きに置くのは理にかなっているといえますね。
真言宗なら総本山の方向を背にして設置
同じ仏教でも真言宗の場合は、手を合わせる方向が総本山になるように設置すべき(本山中心説)だと言われています。
真言宗の総本山といえば高野山を思い浮かべる方が多いと思いますが、実は宗派によって異なる18の本山が存在します。
正しい方向に向けて手を合わせたい!という方は、あらかじめ自分が信仰する宗派の総本山はどこなのかを調べておくとよいでしょう。
浄土(真)宗や天台宗は東向きが基本
浄土宗や浄土真宗、天台宗などは阿弥陀如来を本尊としています。
余談ですがお釈迦様と阿弥陀如来は全く別物で、悟りを開き仏教の教えに目覚めたとされるのがお釈迦様で、その師匠にあたる存在が阿弥陀様です。
阿弥陀如来は西方浄土にいるという考え方(西方浄土説)から、西に向かってお祈りが出来る様に東へ向けて置くのが良いとされています。
創価学会や日蓮宗の場合は決まりが無い
日蓮が開いたとされる日蓮宗や、その教えの流れを汲む創価学会の場合はご遺骨の置く方向には特に決まりがありません。
法華経信仰で有名な日蓮の教えは、没後ではなく現世をいかに信心深く生きるかを重要視しているからです。
風水では置く方向と場所が重要
風水の考え方では仏壇などを置くなら、最も良い方向とされているのは南東です。
南東に置くことが難しい場合は、南寄りか東寄りの場所が良いとされています。
日が昇る方向でもある東南は、淀むことがなく新たな空気が入り込む吉方位だという考え方が基になっています。
また、風水では置く場所もなるべく家族が賑わう明るい場所が良いとされています。
逆にトイレの近くや使っていない部屋などに置くことは避けるべきだといわれているので、家族が手を合わせやすい置き場所を選ぶようにしましょう。
スピリチュアル的に北は凶方?
北枕や鬼門(北東の方角)など、北という方角に対してマイナスイメージを持つことは多いのではないでしょうか。
事実、仏壇やご遺骨を北向きに設置するのは良くないのですが、その理由はスピリチュアル的な問題とは関係がありません。
北向きに仏壇やご遺骨を置く、ということは言い換えれば南側を背にして設置するということです。
南側に仏壇やご遺骨を置いてしまうと、日当たりや風通しを遮ってしまうことに繋がるばかりでなく、直射日光による劣化や痛みの恐れがあります。
つまりスピリチュアル的な問題というよりは、生活に支障がでたり仏壇やご遺骨の痛みが早くなってしまうから避けられてきたというべきでしょう。
自宅に遺骨を置くと縁起が悪い・運気が下がるのは本当か
自宅に遺骨を置くなんて縁起が悪い!
遺骨を置くようになってから運気が下がった気がする・・・。
スピリチュアルな体験談やイメージから、自宅に遺骨を置くこと自体が悪影響を及ぼすのではないかと不安を感じてしまう人は少なくありません。
結論からいえば、これらは「思い込み」で自宅に遺骨を置いても私たちの生活が悪くなる原因にはならないので安心してください。
なぜそんなことが言い切れるのかを解説していきましょう。
スピリチュアルとバイアスの関係性
皆さんは【バイアス】という言葉を聞いたことはないでしょうか。
バイアスとは心理学用語の1つで偏った思い込みや考え方を総称した言葉で、状況によって確証バイアスや認知バイアスなどに分類されます。
例えば、占いで「あなたには”水難”の相がでている!」と言われたとしましょう。
その数日後、天気予報がハズれて傘を忘れたせいでズブ濡れになったらどう考えてしまうでしょうか?
占いで言われた”水難”とはこれだったのか・・・と関連付けて考えてしまうという思考の流れが、簡単にいうとバイアスの仕組みです。
たまたま良くないことが起きたとき、人はその理由や原因をはっきりさせて安心したくなります。
ご遺骨を置いてから不幸が続いているという話も、このバイアス思考が原因です。
同じバイアスならポジティブシンキングへ変えよう
自宅にご遺骨を置きたいと考える人の大半が、「故人を身近に感じていたい」や「いつでも手を合わせてお祈りしたい」など故人を強く偲びたいという気持ちが前提にあるはずです。
最愛の故人を想って遺骨を置くわけですから、悪い出来事の原因だと思い込んでしまうのはあまりにも悲しいことですよね。
バイアスとは思い込みですが、必ずしも悪いことばかりではありません。
例えば、何か良いことがあったときに「故人が見守ってくれたからだ!」と関連付けて感謝の気持ちを持つバイアスなら日々を幸せに過ごせます。
繰り返しになってしまいますが、縁起の良し悪しや運気と自宅にご遺骨を置くことには何の因果関係もありません。
自分の気持ちや考え方1つで、むしろ置いてよかった!と思うこともできるので、スピリチュアル的な思考にとらわれすぎないように注意しましょう。
自分の気持ちを大事に!気になる場合はスピリチュアル的に良い方角と場所に遺骨を置こう!
ご遺骨を自宅に置いたとしても、何か悪いことが起こったり個人が成仏できないということはありません。
どうしてもスピリチュアル的な部分が気になる方は、良いとされる置き方や場所を意識することで安心感が得られます。
- 曹洞宗・臨済宗なら南向きの設置が〇
- 真言宗なら手を合わせたときに総本山を向くように
- 浄土(真)宗・天台宗なら東向きに置くのが〇
- 風水的には東南が〇で、家族が賑わう場所に置く
- 陰気な場所(トイレや使っていない部屋)は避ける
何か良くない出来事が起きても自宅にご遺骨を置いていることと安易に結び付けて考えてしまうのはやめましょう。
バイアスによる思い込みをするなら、故人が見守ってくれていたおかげ・・のようにポジティブな考え方を意識することで運気そのものが上がるかもしれませんよ。
自宅にご遺骨を置くのがどうしても不安だ!という方は、下記の記事でも不安を払拭できる理由や考え方を詳しく解説しているので合わせて目を通してみてください。