- ご遺骨を自宅で保管したいけど方法や手順がわからなくて不安
- ご遺骨の保管で何に気を付ければよいのか知りたい!
- 違法性など、ご遺骨の保管で何か問題が起こるのではと心配
手元供養でご遺骨を自宅で保管することになったとき、はじめてなら不安や心配が尽きないものです。
特に気になるのがご遺骨の保管方法。
「え?骨壺に入れて普通に置くだけじゃダメなの?」
実は、手元供養などでご遺骨を自宅で保管する場合は気を付けておきたい注意点や保管方法があります。
間違った保管方法をしてしまうと、大切なご遺骨にカビが・・・!なんてことにもなりかねません。
この記事ではご遺骨を自宅で正しく保管する方法と、保管時に注意すべき点を詳しく解説します。
そもそもご遺骨を自宅に置いても大丈夫なの?・・・という不安を抱えている方は、この記事を読む前に下記の過去記事を読んでおくと安心できますので是非目を通してみてください。
ご遺骨を自宅で保管するまでの流れと手順
まずはご遺骨を自宅で保管する場合の流れと手順について解説していきます。
ご遺骨を自宅へ持ち帰るタイミングは2パターン
- お骨上げ(火葬場で遺骨を納骨する儀式)でご遺骨を骨壺へ入れてそのまま持ち帰る
- 既に埋葬されているご遺骨を持ち帰る
パターン別にご遺骨を保管するまでの具体的な流れや手順をみていきましょう。
火葬場からそのまま持ち帰るときの流れと手順
お骨上げを行う火葬場からそのまま持ち帰る場合は、少ない手順でスムーズにご遺骨を自宅へ持ち帰ることができます。
あらかじめ行うべきことはたった2点だけ。
◎葬儀業者や火葬場へ事前に「ご遺骨を一部(または全部)持ち帰りたい」という意志を伝えておく
◎ご遺骨を持ち帰るための骨壺(または密閉できる容器など)を準備しておく
ご遺骨を火葬場からそのまま持ち帰る場合なら、特に申請や手続きは不要で準備した骨壺へご遺骨を入れて自宅へ戻るだけなので面倒が少ないと言えます。
自宅でご遺骨を保管する手元供養を行う人の多くが、火葬の流れでそのまま持ち帰る方法を選択しています。
埋葬済みのご遺骨を持ち帰る場合の流れと手順
すでにお墓へご遺骨を埋葬していて、そこからご遺骨を自宅へ持ち帰って手元供養をする場合は少し手間や手順が増えます。
- 墓地管理者(お寺や霊園職員など)へ連絡をする
- 墓石を動かすために石材店へと連絡をする(有料で平均相場は1~3万円程度)
- ご遺骨を入れるための骨壺などの容器を準備する
- 分骨証明書を求められた場合は書類を取得しておく
無断でお墓へ行ってご遺骨を持ち帰るのはトラブルの元になるのでやめておくべきです。
墓地の管理者と石材店へと連絡をした上で、ご遺骨を準備した容器へ入れて持ち帰りましょう。
改葬(お墓のお引越し)や分骨(ご遺骨を別の場所へ埋葬すること)ではなく、ご遺骨の一部を持ち帰るだけなら許可申請は不要です。
しかしこちらの意図が相手にきちんと伝わっていなかったり、管理者の認識不足などにより”分骨証明書”を求められるケースもあります。
法的に取得の必要は無いのですが、トラブルを避ける意味でも正論をぶつけて揉めるよりは素直に準備した方が良いでしょう。
詳しくは後述しますが、ご自宅で保管しているご遺骨を将来どこかへ埋葬するなら分骨証明書が必要になるので、あらかじめ取得しておく手間が無駄になるということはありません。
ちなみに分骨証明書は墓地を管理する地域の自治体で1通あたり100円(自治体によって変動)で取得することが可能です。
ご遺骨を自宅で保管する方法と注意点①骨壺と保管場所
無事にご遺骨を自宅へと持ち帰ってからの保管方法が今回の本題です。
ご遺骨を自宅で保管する上で気になる3つの項目を順番に解説していきましょう。
- 骨壺の選択と保管場所について
- 自宅で保管する期間について
- ご遺骨の保管を辞めたいとき
まずは自宅でご遺骨を保管するための骨壺と、保管場所や保管方法です。
ご遺骨を入れる骨壺
自宅へご遺骨を持ち帰るための骨壺ですが、基本的には密閉できる容器ならどんなものでも大丈夫です。
例えば全骨(すべてのご遺骨を持ち帰る場合)なら、お骨上げでご遺骨を入れてもらう骨壺そのものを持ち帰っても全く問題はありません。
しかし実際には手元供養でご遺骨をすべて持ち帰るのは稀なケース。
一般的にはご遺骨の一部をごく少量だけ持ち帰って手元供養とする方がほとんどなので、保管用に小さな手元供養品や骨壺を準備した方が良いでしょう。
専門店であれば手元供養用として、ミニチュアサイズの骨壺や容器を購入することができます。
例えばオシャレな骨壺やご遺骨を入れて飾ることができる手元供養品などを選べば、密閉性も高く省スペースなので保管が楽になるでしょう。
ご遺骨を保管する容器が決まったあとは、どこに置くかという悩みがでてきます。
ご遺骨を置く場所
ご遺骨を自宅で保管するときは、以下の点に注意して置き場所を選ぶようにしましょう。
- 高温多湿を避ける
- なるべく風通しのよい場所を選ぶ
- 直射日光はなるべく避ける
- 目立たない場所or状況に応じて隠せる保管
それぞれについて詳しく解説していきます。
高温多湿を避けて風通しのよい場所を選ぶ理由
ご遺骨を自宅で保管するときは、高温多湿を避けて風通しのよい場所を選んで置くようにしましょう。
理由は単純明快で、ご遺骨がカビてしまわないための対策です。
ご遺骨を自宅で保管する上で、最も気を付けなければならないのがカビの問題。
そう簡単にご遺骨がカビてしまうことはありませんが、リスクを減らす意味でも置く場所はしっかり選びましょう。
直射日光は保管方法次第では気にしなくても良い場合も
自宅でご遺骨を保管するとき、直射日光はなるべく避けた方が良いといえます。
理由はカビ対策だけでなく、ご遺骨を入れている容器の変色や劣化を防ぐためです。
ただし、直射日光はご遺骨を入れている容器やご遺骨の状態によってはそこまで神経質にならなくても問題ありません。
日焼けして変色する心配のない容器だったり、ご遺骨を粉末状にして保管している場合なら日の当たる場所へ置いても大丈夫だといえるでしょう。
保管場所は目立たない方が良いことも
手元供養は自宅にご遺骨を保管して、いつでも好きなタイミングで故人を偲ぶことができますが、リビングや応接間などあまり目立つ場所には置かない方が良いでしょう。
特に来客があったときなど、人によっては明らかにご遺骨とわかる骨壺が目に入ると不快な気持ちにさせてしまう恐れがあるからです。
どうしても故人を身近に感じたい!という場合は、引き出しのある手元供養品やカーテンなどで簡単に人目から隠せるような工夫をしておくといざというときに安心できます。
ご遺骨を自宅で保管する方法と注意点②保管する期間
ご遺骨を自宅で保管できる期間に決まりはあるのでしょうか?
結論から言えばご遺骨を自宅で保管する上で期間の定めは特にありません。
ご遺骨を自宅で保管し続けている限りは、特別な申請や許可証は不要ですが長期間に渡り保管するなら、前項で解説したように保管方法や場所には気を付けるべきでしょう。
しかし何らかの理由でご遺骨の保管を続けるのが難しくなってしまった場合の対策は事前に考えておく必要があります。
ご遺骨を自宅で保管する方法と注意点③ご遺骨の行き先を考えておく
ご遺骨を自宅に保管している限りは問題ありませんが、将来的に保管の継続が難しくなったときにご遺骨をどうするのか?を家族で相談してあらかじめ決めておくことをおすすめします。
考えられるいくつかの具体的なケースと共に必要な準備を解説しますので、ご遺骨の将来的な行き先を考える参考に役立ててみてください。
家族が引き継いで自宅保管を継続
例えばすでに独立して家を出ている家族が居て、ご遺骨を引き継いで自宅保管を継続してくれるなら特別な準備は不要です。
手元供養でご遺骨を保管している家が変わったとしても特に申請など面倒な手続きは一切必要ありません。
お墓へ納骨(ご遺骨が埋葬された場所と同一の場合)
ご遺骨をお墓に埋葬済みで、一部を持ち帰って手元供養として自宅で保管していた場合なら、埋葬している墓地へご遺骨を戻すことを選択する人も多いはずです。
既に埋葬したお墓へ将来的に戻すのであれば、火葬した際に発行されている火葬許可証を準備しておきましょう。
墓地の管理者と石材店へと連絡をして、手元供養をしていたご遺骨を一緒に納骨したいと伝えればそのまま納骨できます。
ただし石材店に頼んで墓石を動かす作業は有料で、平均相場で1~3万円程度の費用がかかります。
お墓へ納骨(新規のお墓へ埋葬)
ご遺骨の保管を辞めてお墓へ納骨する場合でも、既存のお墓とは別の場所へ埋葬するときは少し手順が異なります。
ご遺骨を複数個所に埋葬するのであれば、分骨証明書を取得する必要があります。
将来的にご遺骨を既存のお墓とは別の場所へ埋葬する予定なら、あからじめ分骨証明書を申請しておくと良いでしょう。
分骨について詳しく知りたい!という場合は、過去記事で解説していますのでそちらに目を通してみてください。
ご遺骨を自宅で管理するときの注意点!
繰り返しになってしまいますが、自宅でご遺骨を管理する上で最も気を配るべきはカビ対策です。
そもそもご遺骨にカビは生えるのか?という疑問を抱く方も居ると思いますが、ご遺骨にカビが生えてしまう可能性は極めて低いといえます。
火葬でご遺体を焼くための温度は、法律により最低でも800℃以上でなければならないと定められています。
高温で焼かれたご遺骨には菌や胞子が存在しないので、本来ならばカビの心配はほとんどありません。
カビの発生には以下に挙げる3つの要素が重要になってきます。
- カビの胞子(胞子が付着しなければ発生しません)
- 充分な湿度と栄養(カビは乾燥に弱く、栄養素が無ければ増えません)
- 温度(過酷な環境下ではカビは発生しません)
カビ対策として温度の問題はクリアできないと言われています(人間にとっても過酷な環境になってしまうため)が、胞子が付着しないように気を付けたり、湿度などを適切に保ったりするという対策は可能です。
ご遺骨を自宅で保管中に、みだりにご遺骨を動かしたり天日に干そうとするのはNGです。
密閉度の高い骨壺や容器なら、ご遺骨にカビの胞子が付着する可能性は限りなく0に近いので、わざわざ胞子が付いてしまうリスクを上げてしまわないように注意しましょう。
自宅でご遺骨を保管する上での注意点まとめ
手元供養などでご遺骨を自宅で保管するときは、カビ対策をしっかり考えた保管方法を考える必要があります。
また、将来的にご遺骨をどうするのか?についても事前に家族で相談しておくと安心です。
- 高温多湿を避けて風通しの良い場所で保管
- 直射日光はなるべく避けた方が良い
- 来客に備えた工夫をしよう
- みだりにご遺骨の移動や天日干しはしない
- 将来的なご遺骨の行き先を考え、必要な準備を
自宅でご遺骨を保管することに抵抗がある、良くないのでは?と不安がある方は、以下の記事に是非目を通してください。
手元供養でご遺骨を自宅で管理するのは、想像よりも簡単だと感じた方も多いのではないでしょうか。
難しそう、面倒くさそうというイメージが先行しがちな手元供養ですが、自宅でご遺骨を管理するのはとても簡単です。
大切な故人を身近に感じることができる手元供養、この機会に是非検討してみてくださいね。