- 手元供養にした場合、お盆はどうすればいいの?
- 手元供養でも墓参りはするべき?
- 手元供養で新盆を迎えるときの注意点は?
手元供養をしている、またはやってみようと考えている人にとってお盆の季節をどう過ごすべきかは悩ましい問題です。
結論から言えば、手元供養をしているならお盆だからと特別なことをする必要はありません。
しかし、逆に言えば手元供養をしていてもお盆を特別な日として迎えても全く問題はないのです。
日本ではお盆は正月と同じように大切な年中行事の1つとして古くから親しまれてきた風習なので、手元供養をしているからとないがしろにしてしまうと無用のトラブルを招いてしまうことも。
そこで今回は、手元供養をしている方へ向けたお盆の過ごし方や考え方に関するアドバイスを紹介しますので、参考に役立ててくださいね。
手元供養とは一体どんなものなのか?を詳しく知りたい方は下記記事に目を通した上でこの記事を読んで頂くと判りやすくなっていますよ!
そもそもお盆とはどんな行事なのか?
まずは知っているようで意外に知らない「お盆」について簡単に解説をしておきましょう。
お盆の歴史は古く、その起源は飛鳥時代(600年代~)にまで遡ると言われています。
盂蘭盆(うらぼん)経という経典が元となっていて、釈迦の弟子”目連(もくれん)”が死後に地獄で責苦を負う母親を助けたいと釈迦に相談したところ、旧暦の7月15日に心を込めて供養をすれば助かると答えた逸話が基になっています。
目連が釈迦に言われた通り、心から供養をすると母親は地獄から救われて往生したそうです。
この盂蘭盆のお話に基づいて仏教では7月15日(現在の8月中旬)に供養をするお盆という行事が生まれました。
お盆という風習が庶民の間に広がり、現在のような形になったのは江戸時代ごろからです。
現在もその風習は色濃く残っていて、一般的には8月の13日から16日までをお盆期間とし、先祖や死者の霊魂を家へ迎えいれて供養をする行事となっています。
手元供養とお盆は基本的に関係ない!
冒頭でも少し触れましたが、手元供養をしている場合はお盆という風習を強く意識する必要性は無いと言えます。
前述の通りお盆とはそもそもが”仏事”であり、仏教を信仰していない人や無宗教の人なら普段通りに過ごしても全く問題は無いのです。
とはいえ、それはお盆という風習の成り立ちから考えた建前というもの。
しかし実際は小さい頃からお盆は特別な期間という認識が刷り込まれていて、完全に無視をするのは気持ち悪いと感じてしまう人が多いのではないでしょうか。
手元供養をしているなら、日常的に故人を偲んでいるわけですからお盆でも普段通りに過ごして手を合わせれば良いのですが、日本に根強く浸透している風習だからこそ気になってしまうのは仕方がないことかもしれません。
そこで、手元供養とお盆の上手な付き合い方をいくつか紹介していきますので参考にしてみてください。
手元供養とお盆~お墓がある場合~
手元供養を行っている人の半数近くは「お墓への埋葬と併用」していると言われています。
つまり、故人のご遺骨が【お墓】と【自宅】に分骨されている状態ということです。
このようにお墓と手元供養を併用している方なら、お盆の時期は一般的な風習と足並みを揃えて”お墓参り”をしてみてはいかがでしょうか。
手元供養をしているからお墓には行かない!と意固地になるよりは、風習に従って素直に墓参りをした方が精神的にも満たされることが多いと言えます。
特に「手元供養をしているけどお盆どうしよう・・・」と悩んでいる方は、潜在的にお盆=特別な期間という認識が強いという証拠です。
お墓へ行かずに変な罪悪感を抱えて過ごすよりは、普段足を運ばないお墓を綺麗に清掃して手を合わせた方がスッキリするはずです。
手元供養とお盆~お墓が無い場合~
お墓への埋葬を行わず、散骨や自然葬と手元供養を併用している場合はどうでしょうか。
この場合も、お盆という行事に対する考え方や自分の気持ちに従った行動を取ることをおすすめします。
普段から手元供養で故人を偲んでいるわけですから、お盆を特別視しないという考え方も当然ありますし、良い機会だからと普段よりも故人を強く想って手を合わせてみるのも良いでしょう。
ただし、お墓に埋葬していない手元供養の場合は【他の遺族】を考慮する必要性がある点には注意が必要です。
自分自身がお盆を特別視していなくとも、親族など他の遺族が同じ考え方とは限りません。
お盆だから故人を偲びたい!と親族など他の遺族が強く願う場合、お参りをするために自宅へ訪れる可能性は高くなります。
特に新盆(故人が亡くなってから初めて迎えるお盆)は、親族だけでなく生前に所縁のあった友人や知人なども故人を偲びたいという想いを持っていますので故人のためにもなるべく迎え入れてあげたほうが良いでしょう。
手元供養のスタイルは自由ですが、宗教的な考え方が強い方や風習を大事にする方をお迎えするのであれば、自身が無宗教であってもお盆らしく精霊馬(キュウリで作った置物)や精霊牛(ナスで作った置物)を置くなど、お盆を少し意識した配慮をするとトラブルを避けやすくなるでしょう。
手元供養であってもお盆はポジティブに捉えよう
手元供養をしていて仏教を強く信仰していないなら、お盆を特別に捉える必要はありません。
その一方で日本人にとってお盆が特別な日という認識は強く、何もしないことに罪悪感や居心地の悪さを感じてしまう人が多いのも確かです。
盂蘭盆の逸話にあるような、お盆に供養をしなければ故人が浮かばれない・・ということは無いので、強迫観念に捉われて無理に特別なことをする必要は無いですが、お盆という風習がここまで根付いた理由は他にもあるのではないでしょうか。
それはお盆という行事があることで、親族が集まる機会を設けることができるからです。
普段の生活ではほとんど接点の無い親族同士が、お盆という行事があることで会って話をしたり、故人を偲んで思い出話に花を咲かせるのは良い供養になるというもの。
宗教的な考え方ではなく、故人を偲ぶことを通じて親族のつながりを感じるイベントだとポジティブに捉えれば、お盆という風習と上手に付き合っていけるのではないでしょうか?
手元供養でお盆はどう過ごすべき?ポジティブにお盆と向き合う方法を解説!まとめ
手元供養は宗教に関係なく自由に行うことができる供養方法なので、お盆を必要以上に特別視する必要はありません。
しかし風習や年中行事として私たちの生活と深い関わりを持つお盆を完全に無視するよりは、素直に受け入れて故人をいつも以上に想う期間だとポジティブに捉えて付き合うことをおすすめします。
- お盆は元来仏事なので手元供養と密接な関係ではない
- 手元供養とは別にお墓があるなら墓参りを
- お墓が無い場合は他の遺族が訪れる可能性があるので配慮をしよう
- お盆は故人が親族を繋いでくれるイベントだと前向きに捉えよう
手元供養は自分らしい自由なスタイルで供養ができる新しい祈りのかたちです。
自由ではありますが、自分の主張やスタイルを他の遺族へ強要してトラブルを起こしてしまうのは、故人の望むところでは無いのも確かです。
お盆という風習と手元供養との間で、上手に折り合いをつけながら親族と仲良く故人を偲ぶことが一番の供養になるのではないでしょうか。
この記事を読んで手元供養に興味が沸いた!手元供養をもっと知りたいという方は下記の記事にも是非目を通してみてください!