- 自宅に遺骨を置くと良くないことが起きるって本当?
- 遺骨の良くない保管方法があるって聞いたんだけど・・
- 遺骨の置き方で注意すべき点や良い置き方を知りたい!
自宅でご遺骨を保管する手元供養は、新しい供養のスタイルとして認知度が高まってきています。
手元供養に興味を持ち、実際にやってみたいと思いネットで色々と調べていくと
「自宅に遺骨を置くのは良くないことだ!」
「遺骨の置き方次第では成仏できない!」
「自宅で供養すると良くないことが起きる!」
など、不安を感じさせる情報をみつけてしまうことがありますよね。
また実生活でも良くないと言ってくる人が居たりすると、興味はあってもなかなか手元供養に踏み切れないという方も多いのではないでしょうか。
結論から言えば、自宅に遺骨を置くことは決して良くないことではなく、スピリチュアル的にも宗教的にも法的にも全く問題がありません!
この記事では、自宅に遺骨を置くことが良くないとされる理由の解説と、実際は安心して行っても大丈夫だという根拠をそれぞれ詳しく解説していきます。
そもそも手元供養とはどんな供養方法なのかを詳しく知りたい!という方は、下記の記事で解説していますので合わせて目を通しておくと手元供養への理解を深めることができますよ!
自宅に遺骨を置くのは良くないとされる理由①法的な問題
手元供養などで自宅にご遺骨を置きたいと考えたとき、誰もが不安に感じてしまうのが「法的に大丈夫なのかな?」という点です。
SNSや掲示板などで、自宅に遺骨を置くのは法的にアウト・・といった書き込みをたまに見かけますが、実は全く問題ありません。
自宅に遺骨を置くのが法的に良くないという意見が出てしまう一番の理由は、間違った情報と思い込みによるものです。
日本では「墓地・埋葬に関する法律(以下”墓埋法”と表記)」という法律によって、お墓やご遺骨の扱いが法的に定められています。
この法的解釈を間違っていたり、勘違いして覚えている人が居るために「自宅で遺骨を保管するのは法的に良くない」という情報が流れてしまっているのです。
確かに、墓埋法では「遺体(遺骨)を勝手に”埋葬”してはならない」という定めがあります。
埋葬とはご遺骨やご遺体を【土中に埋めること】なので、例えば自宅の庭にお墓を建てて勝手にご遺骨を埋めてしまった場合などは違法です。
一方、ご遺骨を骨壺などの容器に入れた状態で保管することは埋葬ではありません。
墓埋法ではご遺骨を自宅で保管することを禁じてはいませんので、埋葬を勝手に行わない限りは違法性が無いのです。
ネットやSNSで手元供養が違法だという間違った情報を投稿している人は、埋葬と手元供養を同一視していたり勘違いをしている可能性が高いと言えますね。
自宅に遺骨を置くのは良くないとされる理由②衛生面
自宅に遺骨を置くと衛生面で良くないという意見もあります。
もし、この衛生的に良くないという言葉が「健康に害をもたらす」という意味で使われているならそれは嘘です。
高温で火葬されたご遺骨には、およそ菌と呼べるような有機物は全く付着していません。
ご遺骨から人体に影響を及ぼすような菌やウィルスが自然発生することは無いので、自宅に置いても害は無いのです。
しかし完全にデタラメなのかというと、そうではありません。
ご遺骨の状態を保つという意味での衛生面を考えると、自宅で遺骨を管理するのは良くないという意見は正しいとも言えるのです。
実は、自宅でご遺骨を保管する方法によってはカビが生えてしまうなど衛生面で問題が発生する可能性は確かにあります。
ご遺骨にカビが発生するのを防ぐためには
- ご遺骨を保管するための骨壺や容器を適切に選ぶ
- 通気性の良い場所を選ぶ
- 直射日光をなるべく避ける場所を選ぶ(骨壺やご遺骨の状態によっては置ける場合も)
このように保管場所や骨壺に気を付ける必要があります。
他にも、ご遺骨を自宅保管できる期間や注意点など詳しく知りたい!という方は下記の記事で解説していますので、合わせて目を通してみてください。
自宅に遺骨を置くのは良くないとされる理由③縁起が悪い
宗教やスピリチュアル的な理由で自宅に遺骨を置くのは良くないと言われることも多いです。
「縁起が悪い」
「遺骨の置き方や方角を間違うと不幸になる」
特にそういったことを気にしない人なら無視すれば良いだけの話ですが、気になる方にとっては大問題ですよね。
実は仏教を開いたとされる釈迦の骨は世界各地にご遺骨を分けて埋葬されています。
つまり、仏教的にはご遺骨を複数個所に分けて供養することは全く問題がなく、自宅にご遺骨を置いても縁起が悪いということにはなりませんし、成仏ができなくなるようなこともありません。
仏教的に遺骨の一部や全部を自宅で保管しても問題無いといわれても、風水的に良く無かったり心霊的な悪影響を心配する人がいるかもしれません。
確かに風水の基本的な考え方は「自然の摂理」を重要視するため、本来ならば土へと還るはずの遺骨を自宅に置くことは縁起が悪いとされています。
どうしても縁起が悪いことが気になってしまうときは、置く方角や場所に吉方(縁起が良い方角)を選ぶなどの工夫をするとよいでしょう。
風水における吉方位は東南で、陰の性質をもつご遺骨はなるべく人が使っている風通しの良い明るい場所(陽の性質)が良いとされています。
風水だけに限らず、仏教でも宗派ごとに仏壇やご遺骨を置くべき方角などが存在します。
宗派ごとの吉方を知って縁起の悪さを払拭したい!という方は、過去記事で詳しく解説していますのでそちらで自分の宗派はどこにご遺骨を置くのが良いのかを確認してみてください。
納骨するまで自宅でご遺骨を保管しなければならないことも
葬儀の流れとしてお骨上げ(ご遺体を火葬)から納骨までを1日で行ってしまうスタイルが主流ですが、住んでいる地域や宗教や近親者の考え方によってはご遺体を安置していた飾り棚で、納骨までの期間ご遺骨を自宅で保管するケースも少なくありません。
手元供養とは違い納骨までの一時保管なので、本心では「自宅に遺骨は置きたくないな・・」と思っていても、大切に故人を弔うようにしましょう。
納骨のタイミングはさまざまなので一概には言えませんが、初七日や四十九日法要までなどが一般的です。
短くても1週間、長ければ1か月以上も自宅でご遺骨を保管することになりますので、置き方や場所には注意を払う必要があります。
ご遺体を自宅で安置していたときの飾り棚(一般に後飾り祭壇と呼ぶ)にご遺骨を置く場合、宗派や宗教によって正しい作法があるので注意しましょう。
後飾り祭壇で一時的にご遺骨を自宅で保管する方法については、下記記事で宗派や宗教別に詳しく解説していますので、是非参考にしてみてください。
自宅にご遺骨を置くことをポジティブに捉えよう
自宅にご遺骨を置くのは良くないことだとネガティブに捉えることも、逆に故人をいつでも偲ぶことができるとポジティブに捉えることも、自分自身の考え方1つです。
例えば「お墓にちゃんとご遺骨を入れてあげないと可哀相」というネガティブな意見がありますが、実際にお墓へ埋葬してもお盆とお彼岸の年2回しかお参りしないのでは説得力に欠けますよね。
自宅で大切にご遺骨を管理して、毎日のように故人を偲んで手を合わせることは本当に可哀相なことなのでしょうか?
もちろん、衛生面や違法性の有無など気を付けるべき点があることは確かです。
しかし、自宅にご遺骨を置くことの是非は自分の心の在り方や納得を基準にして決めるべきです。
自宅に遺骨を置くのは良くないは嘘!不安を払拭する理由と考え方を解説まとめ
自宅に遺骨を置くのが良くないという意見の大半は、勘違いや間違った情報による嘘です。
法律違反となる身勝手な埋葬や、ご遺骨の正しい管理方法など、気を付けるべき点があるのは確かですが、自宅にご遺骨を置くことで成仏できないようなことは決してありませんので安心してください。
- 自宅でご遺骨を保管することに違法性は無い!
- ご遺骨を置いて健康被害などは起きないが保管方法には注意が必要
- 縁起が悪いという根拠はない
- 良い・悪いの判断基準は自分の気持ちを最優先に
もし、自宅にご遺骨を置くこと自体に忌避感や気持ち悪さを感じるなら無理に行う必要はありません。
あくまでも「自分が故人をどのように供養したいのか」という気持ちや、経済面や周囲の理解などを踏まえて自宅にご遺骨を置くべきかを判断するようにしましょう。
手元供養という新しい供養方法を知ることは、自分にとってベストな供養方法を探す上で大きな助けになりますので、下記記事を読んで手元供養への理解を深めてみてはいかがでしょうか。