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自宅墓とは?価格やメリット・デメリットなどをまとめて解説!

  • 自宅墓って手元供養と何が違うの?
  • そもそも自宅墓とはどんなもの?法的に大丈夫なの?
  • 自宅に墓を置くのは誰でもできる?気を付けなければならないことを知りたい!
  • 自宅に墓を置くまでの手順と具体的な価格を知りたい!

1998年に「お墓が無い」というタイトルの映画が公開されたことをご存知でしょうか。

まさしく1990年代ごろからお墓の問題や葬儀のあり方が多様化するようになり、昨今では自宅にご遺骨を安置して供養する自宅墓(じたくぼ)や手元供養というスタイルが注目されています。

ネットで新しいスタイルの供養方法を調べてみると

  • 自宅墓
  • 自宅供養
  • 手元供養
  • etc・・・

このようにさまざまな呼び方があり、どれを選ぶべきなのか何が違うのかと戸惑ってしまう方も多いはず。

そこで今回は自宅墓にスポットを当てて、どのような手順で行えば良いのか、手元供養との相違点やケース別にどちらを選ぶべきかなどを詳しく解説します。

手元供養とは一体どんな供養方法なのか?を詳しく知りたい方は下記の記事を合わせて読んでみてくださいね。

目次

自宅墓とは自宅にお墓をつくること・・ではない!

まず、大前提として知っておきたいのが【自宅墓とは自宅にお墓を建てることではない】ということです。

日本では「墓地・埋葬に関する法律(以下墓埋法と記述)」によって、故人のご遺体やご遺骨の埋葬にはルールが定められています。

墓埋法では、ご遺体やご遺骨を”埋葬”してよいのは国や地方自治体が【墓地】と定めた場所に限定しています。

つまり勝手に自宅の庭にお墓を建てて、そこにご遺骨を埋葬すれば法律違反となり、処罰の対象となってしまうのです。

勝手に埋葬するのは違法!
勝手に埋葬するのは違法!

それでは、自宅墓とは一体どんな供養方法を意味するのでしょうか。

実は、実際に故人を偲ぶために自宅の庭へ”お墓を建てるだけ”なら全く問題ありません。

ややこしいですがお墓を建ててもご遺骨を埋めなければOKなので、自宅にお墓を建てることを自宅墓と呼ぶ場合があります。

また、ご遺骨を埋葬せずに自宅で仏壇やミニサイズの墓石を準備して設置する供養方法も自宅墓と呼ばれています。

一般的には後者、ご遺骨を自宅で保管する供養方法の総称として自宅墓という言葉が使われるケースがほとんどで、手元供養や自宅供養という呼び方をされる供養方法も存在します。

自宅墓と手元供養や自宅供養の違いとは?

冒頭でも紹介しましたが、一般的な葬儀の流れ(通夜→葬式→お墓へ埋葬)とは異なる新しい供養のスタイルが注目され広まってきています。

主に自宅でご遺骨を保管して供養するスタイルを自宅墓と呼びますが、同じとされる手元供養や自宅供養と呼ばれる供養方法とではニュアンスや考え方が異なることも多く、別物として捉える人も少なくありません。

実は呼び方の線引きが存在しない!

結論からいうと、実は自宅墓と手元供養(自宅供養)とでは明確な線引きが存在していません。

類似性が高く違いが判りにくい
類似性が高く違いが判りにくい

厳格に「〇〇だから自宅墓」というルールのようなものが無く、特にネット上では混同して説明されているケースが多いので余計に混乱を招いているのが現状です。

実際には「自宅墓」と呼称されている供養方法と、「手元供養」や「自宅供養」とでは供養のスタイルにいくつか違いがみられるので全く同じという訳ではありません

ただし手元供養と自宅供養の2つについては呼び方が異なるだけでほとんど同じ供養を意味していると考えてよいでしょう。

  • 呼び方の違いに明確な線引きやルールが存在していない!
  • 自宅墓と手元供養(自宅供養)とでは若干の違いがあるので混同しない方がよい
  • 手元供養と自宅供養は同じ供養方法と考えて問題なし

相違点①自宅墓はご遺骨の保管が前提となっている

自宅墓はご遺骨ありきの供養が一般的
自宅墓はご遺骨ありきの供養が一般的

自宅墓という呼び方からもわかるように、お墓を自宅に設置するという考え方が前提となっている点が大きな特徴となっています。

これは言い換えると

  • 故人を供養するためのお墓が無い人
  • 何らかの事情で既存のお墓に故人を埋葬したくない人
  • 経済的な理由からお墓の購入を見送りたい人

このように、お墓の問題や悩みを抱えている人が「故人をどうしてもお墓に入れてあげたい!」という考え方から行われるケースが多い供養方法だといえます。

お墓の代わりを自宅に置くわけですから、自宅墓の場合は【ご遺骨の保管】を前提とした供養がほとんどです。

一方、手元供養の場合はどうでしょうか。

手元供養と呼ばれる供養方法でも少量のご遺骨を”分骨”して持ち帰り保管したりペンダントなどにしたりするなど、ご遺骨を持ち帰るケースは少なくありません。

しかし、ご遺骨を置かずに思い出の品や写真などを飾って故人を偲ぶスタイルなどもあり、自宅墓に比べると供養方法の選択肢が多いという違いがあります。

相違点②宗教観の強さ

自宅墓と手元供養を比べた場合、どちらかといえば自宅墓のほうが「形式にこだわった」スタイルが多い傾向にあります。

宗教や宗派を問わず無宗教であっても気軽に行える手元供養に対し、自宅墓の方は仏教的な考え方やしきたりなどの影響が強くみられます。

自宅墓は仏教寄りの供養が多い
自宅墓は仏教寄りの供養が多い

自宅墓では、ご遺骨を持ち帰り【仏壇】などを設置して安置するスタイルが一般的です。

実際に仏教を信仰している・いないに関わらず、自宅墓では宗教的な影響が強いという特徴がみられます。

例えば

  • ご遺骨を仏壇に設置することが多い
  • ご位牌を一緒に置くことも
  • 焼香用の香炉もセットで置かれることが多い
  • 亡くなった方のご遺骨すべてを保管するケースが多い

このように自宅墓と呼ばれる供養方法には宗教的な要素が盛り込まれているケースが多いことがわかります。

相違点③お墓の有無

根本的な問題に戻ってしまいますが、そもそもお墓を持っているかどうか?という出発点にも違いがみられます。

お墓が無いから自宅墓という流れが一般的
お墓が無いから自宅墓という流れが一般的

実は手元供養を行っている人の半数は故人を埋葬するお墓があって、従来通りの葬儀や埋葬をした上で個人的に供養を行っています

「お墓が遠方で頻繁にお墓参りができないから」

「故人を身近に感じながら生活をしたいから」

手元供養を選択する理由は人それぞれですが、故人を埋葬するお墓の有無に関わらず気軽に行われるケースが多いという特徴がみられるのです。

逆に自宅墓の場合は、お墓が無いからせめて自宅で保管したい・・という出発点になるケースが多く、「出来ることならなら従来通りの埋葬をしたい」という気持ちが強いからこそ、宗教的な色合いが強くなるのかもしれませんね。

自宅墓と手元供養どちらを選ぶべきか

自宅墓と手元供養は明確な違いこそありませんが、ニュアンスや供養方法には若干の違いが存在しています。

果たして自分はどちらの供養方法を選ぶべきか、悩んでしまう方も多いと思います。

そこでさまざまな面で両者を比較して、自宅墓が良いケースと手元供養が良いケースを紹介するので、参考にしながらどちらが自分には向いているのかをじっくり考えてみてください。

自宅墓と手元供養を費用面で比較した場合

自宅墓と手元供養を費用で比べた場合、基本的には手元供養の方が安い金額で済むことが多いといえます。

コスパで選ぶなら手元供養
コスパで選ぶなら手元供養

”基本的には”と前置きしたのは、手元供養は自由度が非常に高いので金額をかけようと思えばいくらでも高額にすることも可能だからです。

あくまでも供養にかかる費用を「なるべく安く」と考えて行った場合を比較するなら、手元供養の方が価格を抑えることができます。

具体的に自宅墓と手元供養ではどれくらいの費用がかかるのかをみていきましょう。

自宅墓でかかる具体的な費用とは

自宅墓を行った場合、具体的にはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。

あくまでも一般的な相場と準備物を例に、その費用を算出してみました。

★骨壺

自宅墓ではご遺骨を保管する骨壺が必要になります。

全骨(ご遺骨をすべて持ち帰ること)なら2.5寸~3寸という大きいサイズとなり、一部を持ち帰る分骨ならサイズは小さくても問題ありません。

分骨をする場合の手順や注意点については、下記記事にて詳しく解説していますので気になる方はあわせて読んでみてください。

骨壺にかかる費用はサイズに関わらず、1万円~10万円と幅広い価格から選ぶことが可能です。

★仏壇

自宅墓だからといって必ずしも仏壇を準備しなければならないわけではありませんが、一般的には仏壇やミニサイズの墓石などを購入します。

仏具や墓石なので価格もピンからキリまでありますが、10万円~30万円ほどが平均的な相場となっています。

★読経や戒名

自宅墓をする際に、お坊さんを呼んで読経や戒名をお願いすると経済的な負担は大きく増えます。

読経も戒名もタダでは無い
読経も戒名もタダでは無い

宗派やお寺によって価格は異なりますが、読経のみをお願いした場合の平均相場は3万円~5万円程度です。

戒名をお願いして位牌をつくる場合は出費が大きくなります。

戒名の平均相場(お布施額)は30万円~50万ほどと言われています。

★お墓

ご遺骨の埋葬はできませんが、庭などにどうしてもお墓を建てたい場合は80万円~300万円が平均相場です。

手元供養でかかる具体的な費用とは

手元供養の場合はご遺骨の有無で費用が変わってきますが、基本的な準備物は自宅墓とほぼ一緒です。

★骨壺

手元供養でもご遺骨を自宅で保管する場合は骨壺を準備する必要があります。

費用についても自宅墓とほぼ同じで、1万円~10万円が平均相場となっています。

★手元供養品(祭壇やオブジェ)

手元供養では仏壇ではなく、小さな祭壇や棚などのオブジェといった手元供養品を準備するのが一般的です。

もちろん、仏壇を準備しても問題ありません。

オシャレな手元供養品
オシャレな手元供養品

手元供養品として販売されている棚やオブジェの平均相場は5万円~10万円程度。

手元供養で最低限準備すべきものはこれだけです。

準備と費用自宅墓手元供養
骨壺1万円~10万円1万円~10万円
仏壇(手元供養品)10万円~30万円5万円~10万円
読経・戒名33万円~55万円不要
お墓80万円~300万円不要

上記はあくまでも必要最低限の準備だけで供養を行った場合の比較ですが、費用をなるべく抑えたいなら自由度の高い手元供養の方がおすすめということになります。

自宅墓を選んだ方が良い場合もある

供養方法の選択肢が広く費用を安く抑えることも可能な手元供養。

一見すると手元供養の方が良さそうに思えますが、状況によっては自宅墓の方が適しているケースもあります。

信心深い人は自宅墓の方が安心

宗教として仏教を信仰していなくても、普段からスピリチュアル的な考え方を大事にするタイプなら自宅墓を選んだ方が安心感を得やすいといえます。

自分の思いが大切
自分の思いが大切

また「本当ならちゃんとしたお墓に埋葬してあげたかった」という気持ちを抱えている人なども、従来の供養方法を踏まえた自宅墓で供養したほうが納得できるはずです。

周囲の理解を得やすいのは自宅墓

オシャレな手元供養品を準備して自由なスタイルで故人を偲ぶことが可能な手元供養ですが、年配者や信仰心の厚い人からは不謹慎だと思われてしまう恐れもあります。

その点、従来の供養方法を尊重したスタイルが多い自宅墓は周囲の理解を得やすいといえるでしょう。

供養方法で親族同士が言い争うのは、故人も望まないはず。

自宅で故人を偲びたいけど、周囲の理解が得られないことで悩んでいる場合などは、自宅墓のようなスタイルが適しています。

自宅墓のデメリット

自宅墓は供養にかかる費用を抑えられて、いつでも故人に手を合わせることができるなどメリットが多い供養方法です。

その一方で、将来的に起こり得るデメリットについてもしっかりと理解しておく必要もあります。

来客が増える

自宅墓を【お墓の代わり】として設置する場合、故人の親類縁者にとってお墓参りすべき場所が自宅になってしまいます。

当然ながらお盆やお彼岸、命日などは故人を偲ぶために多くの人が手を合わせるためにやってくることになります。

自宅に人を招き入れることが苦手なタイプなら、大きなデメリットだと感じてしまう恐れがあるので注意しましょう。

意外に場所をとってしまう

自宅墓では骨壺のサイズが大きくなってしまったり、仏壇を準備したりという理由から設置スペースが大きくなってしまう点もデメリットです。

自由度が高く省スペースで供養できる手元供養と比べると、どうしても場所をとってしまうことが多くなってしまいます。

他にも前述の通り、読経や戒名など供養の方法次第では高額な出費になってしまう点もデメリットだといえるでしょう。

しかし従来の供養に比べれば経済的負担も少なく、周囲の理解も比較的得やすい自宅墓はお墓問題を抱える人にとっては一考の価値がある新しい供養方法であることは間違いありません。

自宅墓とは手元供養と何が違う?相違点から自宅に墓を置く際の疑問をまとめて解説!まとめ

自宅墓と手元供養は呼び方が違うだけで、同じ供養方法だと紹介されていることも多く、その線引きはとても曖昧です。

確かに自宅で故人を偲ぶという意味では同じですが、微妙にニュアンスや考え方が違う点には注意が必要です。

自宅供養と手元供養の違いまとめ
  • 自宅墓のほうが宗教観が強い傾向にある
  • ご遺骨ありきが自宅墓。手元供養ではご遺骨が無いケースも
  • 費用面では手元供養のほうが安くなりやすい
  • 周囲の理解を得やすいのは自宅墓

お墓や成仏という概念を重要視するなら自宅墓、形式に捉われず自由で気軽なかたちで故人を偲ぶなら手元供養がおすすめです。

自宅墓を行う手順や手続きなどは、手元供養とほとんど変わりありません。

具体的な手順や注意点を知りたい方は、手元供養について詳しく解説した記事で詳しく解説していますので、是非とも目を通してみてください。

自宅墓、手元供養、自宅供養と呼び方はさまざまですが、共通して大事なことは【故人を想う気持ち】です。

呼び方やスタイルにこだわりすぎず、自分自身が納得できる供養方法を選ぶことが何よりも大切です。

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