- 手元供養をするメリットを知りたい!
- 逆に手元供養のデメリットが気になる
- 手元供養で起こりうる問題と対応策を事前に知っておきたい
手元供養に興味を持つ人は増えていて、最近では雑誌や書籍でも手元供養や自宅供養という言葉を見聞きする機会が増えてきました。
その一方で手元供養という言葉は知っていても、デメリットや問題点があるのではないかと不安が先に立ってしまい中々実行に移せない人が多いのも事実です。
結論から言えば、手元供養はメリットの方が多く深刻なデメリットはほとんど無いので安心して行って大丈夫です。
手元供養をすることで享受できるメリットを知り、デメリットの対処法をあらかじめ知っておけば、いざというときに実行しやすくなりますのでこの機会に是非知っておいてください。
そもそも手元供養とは何なのかを知りたい方は、下記記事に目を通していただくことをおすすめします。

手元供養のメリットは多い!
手元供養は従来のお墓へ埋葬するだけの供養方法に比べてメリットを感じる場面が数多くあります。
そのメリットは【経済的負担】や【遺族の精神的負担の軽減】など、実利が伴うものからスピリチュアルな面まで多岐にわたって感じることができます。
手元供養のメリットを具体的に詳しくみていきましょう。
メリット①従来の埋葬に比べて経済的負担が少ない

供養における【経済的負担】に関連した悩みを持つ人はとても多いです。
お墓を新たに購入しようとすれば、平均相場は100万円を超えてしまいます。
読経でお坊さんを呼ぶのもタダではありませんし、故人を手厚く弔いたいと思えば思うほど遺族にのしかかる経済的な負担は大きくなってしまいがちです。
立派なお墓を建てて長い戒名を付けてもらい、盛大に故人を弔わなければ故人は浮かばれないのでしょうか?
手元供養の最も良い点は、「故人を想う気持ち」さえあれば形式や金額に捉われなくて良いことにあります。
手元供養をする上で準備した方がよいとされるのは、ご遺骨を保管する場合なら骨壺などの容器とちょっとした飾り程度。
経済的な負担はお墓を新規で購入した場合と比べれば、10分の1以下に抑えることも可能です。
メリット②自由度が高い

手元供養に形式ばった手順や方法は一切ありません。
「墓地・埋葬に関する法律」で定められたルールを最低限守っていれば、基本的には【自分の好きな方法】で故人を偲ぶことが可能です。
手元供養における分骨の手順、埋葬や遺骨の取扱いに関しては以下の記事で詳しく解説していますので不安な方は是非目を通してみてください。

手元供養の何がどのように自由なのか、もう少し詳しく解説していきましょう。
どんな宗教・宗派、無宗教でもOK
手元供養はどんな宗教を信仰していても、逆にまったくの無宗教であっても行うことができます。
例えば無宗教の方なら、葬儀とワンセットで考えられがちな【戒名】や【読経】といった手順を省くことも可能です。
一般に通夜や告別式を行わない葬儀方法を”直葬”と呼びますが、※手元供養なら直葬で火葬場からそのままご遺骨を自宅へと持ち帰っても問題ありません。(※実際にご遺骨の全てを持ち帰る手元供養は稀なケースですが可能です)
逆に特定の宗教を信仰している場合は、そのルールに沿った葬儀を進行した上で個人的に手元供養を行うこともできます。
クリスチャンであろうと、信心深い仏教徒であろうと、神仏を全く信じない無宗教の方であろうと、誰でも分け隔てなく選ぶことができる新しい祈りのかたちこそが手元供養なのです。
ご遺骨があっても無くても”手元供養”は成立する
手元供養とは故人を偲ぶ気持ちさえあれば成立するという考え方が大前提にあります。
つまり極論を言えば「ご遺骨の有無は関係ない」ので、自宅にご遺骨を置くことに強い抵抗を感じる方でも気軽に行えるという点も自由度の高さと言えるでしょう。

故人が大切にしていた思い出の品や写真を使った手元供養もありますし、法的な手続きが必要ない”遺髪”を使った手元供養の方法もあります。
大切なことなので繰り返しお伝えしますが、【故人を想う気持ち】さえあればどんな方法でも手元供養になります。
従来の供養方法と併用するのも自由
たまに勘違いをしている方が居るのですが、手元供養or従来の供養方法の2択を迫られる訳ではありません。

手元供養は従来の供養方法で故人をお墓に埋葬する場合でも、併用して個人的に行うことが可能です。
どちらか一方を選ばなければならない・・という堅苦しいものではなく、遺族がスタイルや方法を自由に選べる点も手元供養の大きな利点と言えます。
供養品の選択肢が広い
手元供養の自由度は、故人を安置するための手元供養品にも表れています。

手元供養専用の供養品も増えてきたこともあり、一見するとインテリアのように部屋の景観を損なわない商品も数多くあります。
特定の宗教を信仰している方なら仏壇や祭壇を設置することも可能で、故人を偲ぶスタイルも人それぞれ自由に選べる点も大きなメリットだと言えるでしょう。
メリット③いつでも故人を偲ぶことができる
手元供養を行いたいという遺族にとって、最も大きなメリットは毎日でも故人を偲ぶ場所が身近にあるという点です。

例えば先祖代々のお墓へと埋葬したものの、他県など遠方で気軽に行けない場合でも手元供養なら気が向いたときにいつでも手を合わせてお祈りすることが可能です。
想いを風化させたくない、いつでも故人を身近に感じていたいという気持ちが満たせる点も手元供養が選ばれる理由であり、大きなメリットの1つだと言えるでしょう。
良い事尽くめに思える手元供養ですが、デメリットが全く無いわけではありません。
続いては、手元供養のデメリットや問題点とその対処法について解説していきましょう。
手元供養のデメリット
手元供養を行う上でデメリットが生じるケースは大きく分けると2パターンとなります。
1つは「自分以外の遺族」に関すること。
もう1つは、「ご遺骨の取扱い」に関することです。
デメリット①周囲から理解を得られない恐れがある
手元供養を行う上で最も大きな障害となり得るのが「自分以外の遺族」の存在です。
特に信心深い親族やご年配の方は、ご遺骨を分けるという行為そのものに対して嫌悪感や忌避感を露わにする可能性があり、手元供養をめぐって言い争いや揉め事が起きてしまう点が一番のデメリットでしょう。

昔からの風習やしきたりを重視する親族が居た場合、手元供養について理解を求めても話し合いは平行線になってしまうケースは少なくありません。
「お墓に入れてあげないと浮かばれない」
「あの世で身体が欠けてしまっても良いのか」
仏教を開いたとされる釈迦も没後はその遺骨をさまざまな場所へ埋葬されたという言い伝えもあり、実は宗教的な観点でみても手元供養で分骨をすること自体は問題が無いのですが、そんな正論をぶつけてもこじれるだけ・・・。
手元供養は、中途半端な宗教観を持ち漠然と分骨するのは「良くない行為」だと盲信する人と衝突するリスクがあるのです。
デメリット②お墓が無い場合は自宅がお墓代わりに
お墓への埋葬と手元供養を併用する場合は問題ありませんが、故人の埋葬はせずに手元供養だけで供養を完結する場合は自宅がお墓の代わりになってしまう点にも注意が必要です。
自宅がお墓代わりになること自体は大きな問題ではありませんが、親族とあまり積極的に関わりたくない人にとってはデメリットだと感じてしまうかもしれません。
故人を偲びたいのは自分だけではありませんので、他の遺族への配慮を欠いた手元供養はトラブルの元です。
デメリット③ご遺骨の紛失や管理できなくなった場合の問題
手元供養でご遺骨を保管する場合は、周囲の理解とは別のデメリットが生じる可能性があります。
1つは、災害が発生するなど不測の事態によってご遺骨を紛失してしまうリスクがある点です。
もう1つは自身の身に万が一のことが起きたとき、遺骨をどうするか決めておかないと面倒だというデメリットです。
ご遺骨は勝手に捨てたり埋葬することはできません。
自身で管理ができなくなった場合、家族に迷惑をかけてしまう恐れがあるので注意が必要です。
手元供養のデメリットに対する対処法!
手元供養を行う上で起こり得るデメリットとして
- 周囲の理解を得られない
- ご遺骨を紛失する可能性
- 自分で管理できなくなった場合に家族に負担が発生する
これらを挙げましたが、どの問題も事前準備や手元供養の方法を工夫するだけで対処することが可能です。
それぞれの問題に対する対処法を解説していきましょう。
手元供養で周囲の理解が得られないときの対処法
手元供養をすることを知って、他の遺族が理解を示さない一番のネックは「ご遺骨の分骨」です。
前述した通り、理路整然と正論で説得を試みても理解されないか”しこり”を残して嫌な気分になってしまうかもしれません。
このケースで最もオススメな対処法は、ご遺骨にこだわらずに遺髪や代用品を使っての手元供養を行うという方法です。
どうしてもご遺骨を手元で保管しないと気が済まない場合は、周囲の理解を押し切って行うしかありませんが、自身のご遺骨で親族同士が揉めるのは故人の望むところでは無いでしょう。
あくまでも手元供養で重要なことは「故人を想う気持ち」です。
ご遺骨にこだわりすぎて親族同士が言い争うより、良好な関係を保ったままお祈りをした方が故人も安らかになるというものです。
ご遺骨の紛失を防止するための対処法
残念ながら、災害など不測の事態でご遺骨を紛失してしまう可能性を完全に排除することはできません。
緊急時には、ご遺骨よりも自分の身の安全を最優先に行動するべきですし、故人もそれを望んでいるはずです。
しかし、どうしてもご遺骨を紛失したくないならアクセサリーなどにするという対処法があります。

手元供養のメリットで自由度の高さを挙げましたが、少量のご遺骨をペンダントなどに入れて肌身離さず身に着けるというスタイルも存在します。
手元供養を行うときは家族の理解も重要
手元供養で自分がご遺骨を管理できない状況に陥った場合、ご遺骨をどうするかを事前に話し合っておくと万が一のときも安心できます。
手元供養をそのまま継続するのか、ご遺骨をお墓へと戻すのか。
お墓へと埋葬する予定があるなら、埋葬許可証や分骨証明書をあらかじめ取得しておけばスムーズです。
手元供養のメリットとは?デメリットとなる問題点と対処法まで徹底解説!まとめ
手元供養はその自由度の高さから、多くのメリットがある新しい祈りのスタイルとして選ぶ人が増えてきています。
多くのメリットがある一方で、理解を得づらいなどのデメリットもあるので自分を取り巻く環境や状況に合わせて自分らしい手元供養のスタイルを確立することが肝要です。
- 経済的負担を軽減することができる
- 自由度が高くご遺骨の有無を選ぶことも可能
- オシャレな供養品が多い
- 時と場所を選ばずに故人を偲ぶことができる
- 周囲の理解を得にくい→ご遺骨無しでの手元供養なら揉めることは無い
- ご遺骨を紛失する恐れがある→ペンダントなどアクセサリーでご遺骨を管理する方法も
- 自身で管理できなくなると家族に負担→あらかじめご遺骨をどうするか話し合っておく
手元供養で起きる可能性のあるデメリットは、家族の理解や供養方法を工夫することでクリアすることが可能です。
決められたルールやスタイルが無いからこそ、故人の想いを汲んで自分も周囲も納得できる自分だけの手元供養を行うことが何よりも大切なことだと言えます。
手元供養をするかどうか悩んでいる方は、メリットとデメリットを踏まえた上で自分にとってベストな供養方法を考えるところから始めてみてはいかがでしょうか。
もしこの記事を読んで手元供養という新しい祈りのスタイルに興味が沸いた方は、是非下記の記事にも目を通してみてくださいね!
